基本的なこと
具体的な作成手順は「生薬化粧水作成ガイドライン」を精読の上作成してください!
和漢生薬は数百種類に及びますが、手作り化粧品に配合する場合は成分の抽出が安易であるものがいいでしょう。また、和漢生薬のほとんどは美白作用を持っているので、美白されることを好まない場合は使用できません。さらに、アルコールを使うことで油溶性成分を溶かしているので、アルコールに刺激を感じる方はBGもしくは煮沸での成分抽出となります。
なお、エキスを抽出する水、薄めて化粧水にする水はすべて沸騰させて使ってください。沸騰させることで、水の中の酸素を抜くことが出来、エキスが長持ちします。
1. エタノールでの場合
成分の抽出は生薬10gに対して80~90gのアルコール度25~35のジン、ウォッカもしくは30%エタノール(薬局で売っている無水エタノールを一度沸騰させた水道水で30%に薄めたもの)でつけ込んで下さい。使うエキスは上澄み液を使うか、コーヒーフィルター等を使って濾過してくださいな。最初のうちは一瓶に生薬1種類ずつ抽出を行って下さい。そして、抽出が完了するまでに、腕の内側に少しつけて、かぶれないか安全性を確認してください。なお、濃度の濃いものを作ろうとして生薬10gにアルコールを30~50gで抽出しても出来にくいのであまり意味はないと考えて下さい。ちなみに、化粧品の裏に書いてある○○エキスは生薬の3~10倍量の溶剤で抽出したものが多いです。アルコールが30度以上のエキス剤はだいたい半年持ちます。
2.BGでの場合
BGで抽出する場合はBG50gに沸騰させた水50gを足し、これに生薬10gを漬けてください。エタノールで抽出するに比べて抽出時間が長く、最低2週間は漬け込んでください。なお、BGエキスは半年持ちます。詳細は生薬化粧水作成ガイドラインを参照してください。
※熱水抽出は保存が効かないのでお勧めしません。
抽出したエキス同士を混ぜ合わせ、水や保湿剤を配合し、肌にあう和漢生薬化粧水を創造してくださいな。なお、このとき、生薬同士の相互作用で組合わせがわるいと、沈殿がおこります。
肌に合う配合を見つけたら、その割合で生薬をつけ込んでいけばいいでしょう。
【近所の薬局での参考価格】
局方グリセリン60ml 300円
局方グリセリン500g 900円
局方無水エタノール500ml 1,200円
局方95%エタノール 980円
局方80%エタノ-ル 780円。
近所の薬局でエタノール、酒屋でウオッカ等の値段を確認して、少しでも安いエタノールを入手してください。(和漢生薬化粧水は生薬のコストより、エタノールのコストの方が高くつきます。)また、グリセリンを入れるのが面倒な場合は保湿剤兼抽出剤であるBGを使用して下さい。
なお、違う2種類のタイプの化粧水を作って、顔の左右半分に塗り分けて、どちらか具合がいい方をつかっていけばいいでしょう。
基本的に和漢生薬はお友達等で共同購入された方がいいでしょう。1種類100gあれば莫大な量の化粧水をつくれます。
また、生薬のコストよりアルコールのコストの方が大きくなるので、安いウオッカや無水エタノールを探して下さい。また、BGを使えば、BG自体が保湿効果を持っているのでグリセリンを追加する必要がないかもしれません。
あまり、生薬の配合量を多くしようと欲張ってはいけない。
なお、実験ノートをつけて、効果があるかどうか確認しながら、配合を進めていきましょう。
各生薬の期待される効能は化粧品会社の化粧品の紹介文を参考にされてもいいでしょう。
ベタインは砂糖大根から抽出された保湿効果をもつアミノ酸です。詳しくはベタ・ドロップ水についてを見てください。
化粧水タイプ
- 化粧水(100g分)の基本配合:すべて5CCの計量スプーン一杯を5gと考えています。
- すべて、残りの分は沸騰させた水道水+グリセリン(5g程度)もしくはベタイン(2g程度)で100gにします。
- また、生薬の濃度が高いもの同士を混ぜると沈殿が起こる場合があります。
クジンとユキノシタは相性が悪いようなので、どちらかを中心に基本配合を行って下さい。
1. 基本配合
ユキノシタエキス3gを配合し、残り肌水(資生堂製)+グリセリン(5g程度)
※成分が多いと逆に過剰ケアとなり調子が悪くなることもあるので、その時は基本配合でのシンプルケアをお勧めします。
2. 基本+保湿
1にベタインを2g程度配合する。(以前は生薬エキスを推奨していましたが、効果が見られず、むしろベタインの方が評判がよくこちらをお勧めします)また、エタノールで抽出を行うよりBGで抽出を行う方がBG自体が保湿剤であるので、エタノールエキスでの乾燥が気になる場合はBGでの抽出を検討してください。トゥヴェールで販売している1%ヒアルロン酸を10%配合するのも効果が大きくなります。
3. 基本+保湿+抗酸化
2にボタンピエキス1gとウワウルシエキス1gを追加配合
まとめ
- 生薬抽出用のガラス瓶を集める。
2~300mlの程度の瓶容器を集める。 - タウンページから漢方薬局を探し(リンク先でお買い求めになられても構いません)、目当ての生薬の価格と数十グラム単位で販売しているか問い合わせ、購入する。
トウキ、ソウハクヒなどは産地に注意する。日本産で北海道や大潟産でよい。大和産は高価であるがその価格に見合った成分が含まれているかどうかはわからないので、パスする。 - 瓶を洗剤で洗った後、各生薬を無水エタノールを沸騰させた水道水で30%程度に薄めたもの、もしくは焼酎、日本酒で抽出。
生薬を扱うときは必ず手を洗う。なお、有効成分の抽出効率が良いものは無水エタノールである。抽出期間は2週間~4週間で、上澄みを使用するか、濾過して使用する。抽出液は日の当たらないところで保存する。 - 化粧水を保存する予定の瓶(ガラス製が好ましい)を洗剤で洗う。その後消毒するために沸騰水へ5分つけるか、70%エタノールを容器一杯まで入れて一晩おいておくか、洗濯用ハイター(次亜塩素酸ソーダ)を100倍に薄めたものを容器一杯までいれて数時間放置後、水道水でよくすすぐ。
- 各生薬を少量ずつ配合し、沈殿が出来ないことを確認しながら、目的にあった配合をしていく。
このとき、沈殿がすぐできるもの(クジンとユキノシタ等)は、有効成分同士が反応していることなので、その組み合わせは諦める。また、水で薄めると白濁するものは有効成分の1部が水に溶けきれなくなっていることだけなのでとくに気にする必要はない。グリセリンや尿素等の保湿剤を配合した方が肌にはマイルドになる。
生薬の購入について
#生薬はできるだけ少量で買ってください。10gあれば十分です。生薬にはカビが生えるので冷蔵庫で保存して下さい。リンク先、店舗での購入どちらでも結構です。