抽出剤BGのオススメ
BGは化粧水に多く配合されています。生薬化粧水の欠点として、エタノールを使用することによる乾燥が多数の方から寄せられています。グリセリンやベタインを多めに配合して、解決できない場合は、エタノールでなく、BGで生薬化粧水を作られることをお勧めします。
(エタノールで不都合がない場合はBGを使う必要はないです)
1. BGとは?
BGとは1,3-ブチレングリコールのことでかなりの種類の化粧品に保湿剤として使われています。これは化粧品の容器に表示している成分をみていただけばわかるでしょう。また、BGは化学合成法で作られますが、経口毒性(食べた時の毒性)はグリセリンより低いです。
化粧品以外ではたばこの葉の保湿剤兼抗菌剤として使われており、たばこを吸うことは、ついでに気化したBGの蒸気を吸っているとも言えるでしょう。化粧品自由化前(2001.4)は植物からの抽出エキス製造の際は、水もしくはエタノール、そしてBGで抽出することが旧厚生省から義務づけられていて、(原料会社から)化粧品会社向けに販売されている植物エキスは、エタノールフリーを謳い文句にする化粧品が多くなるにつれBGエキスが増えてきました。
たとえば、店頭の化粧品の表示成分を見ていただいて、植物エキスが配合されているのにも関わらず、成分表に「エタノール」と書かれていずに「BG」とだけ表示されていたら、その化粧品はBGエキスを使用していると判断してください。また、原液エキスを消費者向けに販売する会社もありますが、それらのエキスもBGエキスが多いようです。
2. BGとグリセリンの違い
BGとグリセリンは共にアルコールの一種で保湿作用を持っています。
保湿力自体はグリセリンの方が強いのですが、BGの方がべたつきにくいという特性を持っています。また、BGはグリセリンより抗菌性があるため、40%BGで抽出したエキスは半年間保存ができます。さらにBGは保香性を持っています。
3. BGの使用法
BGの使い方はBG40gに対して水道水60gを加え、そしてそこへ乾燥生薬10gを入れて抽出します。抽出は2週間行います。エキスは粘度があるため、コーヒーフィルターで濾すのは難しいので、生薬が出きるだけ入らないように工夫しながらほかの瓶に移してください。
BGエキスはそれ自体が保湿力を持っているので、乾燥肌でなければ水やウーロン茶で薄めるだけでよいです。もし、物足りない場合はグリセリンやベタインを加えてください。
なお、BG40gからBGエキスが100gできて、BGエキスを20%に薄めて化粧水にするなら、BGエキス100gから化粧水が500g作ることができます。つまり、BG40gから化粧水500g作ることができます。
また、市販の化粧品には通常5~10%含まれていて、なかには40%も配合されている場合もあります。BGは抗菌性があるので、30%程度の濃度でかなり菌の繁殖が抑えられます。
もし、防腐のことが気になるなら、エキスを単に倍に薄めて使えばよいでしょう。ただし、このぐらいの濃度だと敏感肌の方には刺激を感じられるかもしれません。その場合は薄めて使ってください。
4. BGの注意点
まれにBGが肌に合わない方もおられます。その場合は遠慮なく、掲示板で買い手を探してください。なお、お使いの化粧品の配合成分にBGと記載されていたら、BGが配合されているということなので、その化粧品で不都合がなければ、BGを使っても大丈夫だと判断できるでしょう。
5. BGの入手法
BGはいまじんさんで入手してください。価格は送料別で40g 400円、500g 1,100円です。
なお、500g買って余った分を掲示板で買い手を探して頂いても構いません。また、一光堂漢方薬局さん、MOON2PEACEさん、Natural-Gardenさん、シークレットガーデンさんでも取扱っています。なお、上記でのBGは化粧品製造用の工業用BGです。
必ず10%に薄めた溶液でパッチテストをして、赤くならないか確認した上でお使い下さい。もし、化粧品としてのBGをお求めなら、120g 650円でぴのあさんで販売されています。
6. プチオバジ
BGはポリオールの一種で、ビタミンC(アスコルビン酸)の酸化を防ぐ効果をもっています。
たとえば、薬局でアスコルビン酸をかって、30%BG水溶液にアスコルビン酸を5%配合すれば、オバジと同じビタミンC化粧品ができあがります。(アスコルビン酸5gをBG30g、重曹1g、水65gに溶かす) オバジに含まれるポリオールであるジエチレングリコールエチルエーテルやプロピレングリコールはBGと同じポリオールの一種ですが、BGの方が肌に優しい性質を持っています。単純にアスコルビン酸を水に溶かして密栓してもすぐに酸化し黄色く変色してしまいますが、BGを30%程度配合することにより酸化による変色をくいとめることができます。なお、5%アスコルビン酸のpHは2.5とお肌に負担が大きいので、アスコルビン酸5gに対してスーパーで売っている重曹1g(2.5cc計量スプーン半分量)を加えてください。そうすれば、pHがマイルドになります。加えるアスコルビン酸は5%以下にしてください。昼間は紫外線であっけなく酸化されるので、夜のみの使用にしてください。また、MOON2PEACEさんで販売されているpH試験紙を使っていただければ、かなり細かいpHまで測定できます。