HOW TO 講座

肌のバリア機能を回復させる成分(手作り化粧品用)

手作り化粧水に配合する成分は色々ありますが、メーカーが高く売っている化粧品の成分を安く使うというのも手作りのよさだと思っています。

その中で、近年はインナードライなど、隠れ乾燥など化粧品会社によって呼び名は違いますが、 肌の保湿をつかさどるラメラ構造の乱れが乾燥を引き起こすと考えられています。

ラメラ構造というのは、セラミドと脂肪酸などの油層と水の層が、ちょうどミルフィーユのケーキのように何層にも積み重なっている状態です。

このような状態で水が保持されているので、セラミドが重要だと言われていますが、この保水構造が何らかの原因で壊れると乾燥肌を引き起こします。

ちなみに石鹸やシャンプー、リンスに使われる界面活性剤も、高濃度になるとラメラ構造をとります。

ラメラ構造というのは、セラミドだけが作るものではなくて、水と油の両方に溶け込む構造を持つものなら、高濃度になると規則的に分子が配列してラメラ構造を作ります。

ただ、ラメラ構造を作るか、他の構造になるかは、そのときの温度や濃度、分子の形で大きく変わります。

石鹸の場合は、高濃度で水分が少ないときにラメラ構造を作ります。
これはニートソープと呼ばれる80℃くらいで、石鹸ができあがった直後のときです。
型に流して石鹸を固めていくという時に石鹸はラメラ構造となっています。

石鹸のラメラ構造は重要で、石鹸をポンプなどで移送するときに、ラメラ構造でないと粘度が下がらず全く動いてくれません。

石鹸のラメラ構造というのは、水と石鹸の層が交互に積み重なっていますが、これを横から押してやると、石鹸の層が水の層を横に滑っていくので、流動性が出てきます。

石鹸は温度が下がったり、水分が増えたり減ったりしても、ラメラ構造ではなくなって、流動性がなくなり固まってしまうので、高濃度で扱うときは、温度と水分管理が重要となります。

水に浮くP&Gのアイボリー石鹸や花王のピュアホイップなどの石鹸も、このラメラ構造を利用して作ります。
ラメラ領域では、粘度が少なくなるため、石鹸に泡をかみ込みやすくなります。
そうすると石鹸の密度が下がって、水より軽くなり、水に浮くようになります。

さて、ここで、あれっ?と思われた方は多いのではないでしょうか(笑)

角質層ではラメラ構造が保水には重要と言ったのに、石鹸ではラメラ構造で、石鹸層が水の層を滑っていく・・。

これではセラミドのラメラ構造も水の層で滑って保水などできないのではないか?

実は、角質層のセラミドには工夫があって、
セラミド1というのが、水、セラミド、水、セラミド・・と交互に重なりあう層を貫通して、ちょうどミルフィーユのケーキの上から爪楊枝を突き刺したような形で、構造を安定化しています。

くさびが打ち込むような形でラメラ構造が安定化するため、石鹸のラメラ構造のように横滑りなどは起きません。

ただ、セラミド1を手作り化粧品に配合するのは大変なので、今回はラフィノースという成分を使います。

ラフィノースはオリゴ糖の一種で、腸内で善玉菌を増やす作用もありますが、肌に塗ると保湿効果とラメラ構造を安定化させる効果を持ち合わせています。

大手通販会社F社の一押しの成分ですが、ラメラ構造の壊れた部分に作用して、構造を修復し、インナードライの解消を促します。

簡単に水に溶けますし、配合量も1~2%で十分です。しかも高くないです。
手作りにはもってこいの素材ではないでしょうか?

最近は、このラフィノースの採用が各社で広がっています。
ベタインと違って吸湿性はないのに、一度つかんだ水分はベタインより離しにくいという特徴があります。

手作り化粧水は、水、グリセリン、ベタイン、ヒアルロン酸が基本配合になりますが、これから秋冬に向けて乾燥が気になり始めたら、コストが安いラフィノースをオススメします。

ラフィノースは食べても腸内腐敗産物を抑制する効果で、特定健康用食品の素材として評価されていますし、体の内側と外側から綺麗にしてくれる優秀な素材です。

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