肌への安全性データがしっかりしたオイル
現在、様々な化粧品原料が開発されていますが、その中でも最も安全性データがしっかりした
オイルとはなんだと思いますか?
前の記事でオイルの精製には最も優れているのが吸着精製と書きました。
この吸着精製法は、コストが高いため、通常のオイルより数倍の値段となります。
ただ、吸着精製を行うことで、安全性がより高まり臭気や色なども同時に改善されることがわかりました。
ただし、すべてのオイルで吸着精製を行っても改善するわけではなく、一部のオイルのみとなります。
化学的に組成が不安定なものは、いくら吸着精製を行っても成分自体が酸化されやすいので、
臭いや色が悪くなっていきます。
化学的にまあまあ安定で、少しの不純物が安定性を阻害しているオイルに効果を発揮する精製法です。
吸着精製を世に知らしめたのがラノリンです。
ラノリンはペースト状のオイルで、未精製のものは臭いが強くとても顔に塗るようなものとは思えませんが、吸着精製を行うことでまるで別物のオイルのように変貌を遂げます。
いまから数十年前はそれほど化粧品原料に種類があったわけではないので、精製ラノリンがクリームなどに使われていました。
ただ、精製ラノリンでは、不純物があり肌が強い欧米人でもアレルギーを引き起こす原料と知られていました。
防腐剤よりはるかに強いアレルギー性を持っています。
そこでラノリンの不純物を除去すれば、もっと多くの人にも安心して使えるオイルになるのではないかと開発されたのが吸着精製ラノリンです。
吸着精製ラノリンは、アレルギーの原因となるラノリンアルコールやラノリンステロールなどを除去したもので日本薬局方の精製ラノリンをさらに精製したものとなります。
昭和60年に名古屋大学、東京大学、東京医科大学、東邦大学、東京慈恵会医科大学の5大学病院共同でラノリンの刺激性を解明するために、化粧品皮膚炎、女子顔面黒皮病、湿疹、皮膚炎患者430名の協力を得てパッチテストを行いました。
(内訳男性54名、女性376名、20歳までが32名、20代111名、30代121名、40代93名、50代49名、60代以降24名)
一口でラノリンといってもその誘導体を含めると14種類もあるのですが、吸着精製ラノリンはその中でもアレルギー性が最も低く30%濃度だと430例中0で、100%濃度だと430例中1名に軽い刺激があったという結果でした。
肌の弱い皮膚病患者を集めて行ったパッチテストですが、これだけ大規模なデータでかつ、陽性率が低いのはさすが吸着精製ラノリンです。
なお、吸着精製ラノリンはいまじんさんで取扱う予定をされています。
吸着精製オイルはおもに訪販の化粧品が高く売っているのですが、いまじんさんは3年前から取扱っておられ、ネットショップでは吸着精製オイルの老舗とも言える存在です。