低刺激性化粧品について
敏感肌向け化粧品は色々市場に出回っていますので、以下の通りまとめて見ました。
無香料 |
無着色 |
アルコール フリー |
鉱物油 フリー |
界面活性剤 フリー |
パッチテスト |
その他 |
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dプログラム | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | クリーン製法 | |
アベンヌ | ○ | ○ | ○ | ||||
ADコントロール | ○ | ○ | ○ | ||||
ノブⅢ | ○ | ○ | ○ | ○ | 皮膚科での販売 | ||
デリカーヌ (コーセー) |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
ファンケルFDR | ○ | ○ | ○ | ○ | 無菌室での製造 | ||
ROC | ○ | ○ | ○ | 無菌室での製造 | |||
コスメティア(鐘紡) | ○ | ○ | ○ | 無菌室での製造 | |||
センシティブアユーラ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | クリーン製法 | |
ユースキンS | ○ | ○ | ○ | 薬局での販売 |
敏感肌用化粧品では無香料や無着色はあたりまえですが、アルコール(エタノール)や鉱物油については少し考えが変わるようです。ただ、実際は鉱物油フリーといってなくても配合していないことも多いかと思います。
界面活性剤フリーはデリカーヌだけですが、高分子ポリマーを使って粘度を持たせることによりオイルの乳化は簡単にできますので、今となっては特に優れた技術というわけでもないです。ポリマーでの乳化は使用感の問題で好みが出てきますので、乳化剤を低分子にするか高分子にするかは販売者にとって、悩みどころだと思います。
クリーン製法や無菌室での製造は、工場の中に菌の侵入を防ぐ部屋を作って製造を行います。いわゆる医薬品を作るのと同レベルで製造工程を管理することで、製造時での菌管理を厳格し、防腐剤の量を低減します。防腐剤の量を少なくするには、製造工程中に入る菌数をカットしないといけないので、医薬品GMP工場で作るのが一番良いのですが、工場設営にはコストがかかるのでそう簡単にはいきません。
パッチテストなどは健常人と敏感な肌の人を集めてやります。まず健常人を集めてパッチテストを48時間して、合格なら、アトピー性皮膚炎患者などを集めてパッチテストを行います。ただ、アトピー患者での安全性データーを公開しているのはdプログラムとノブぐらいとなります。
防腐剤については、パラベンではなくフェノキシエタノールを使うことが多いです。
どこのブランドも化粧品を作るときに、一般の人が持つ各原料のイメージ調査を行います。
それで、どの成分が悪いイメージを持っているかを確認して、無添加化粧品の配合を決めていくわけです。
一般の人が持つ無添加のイメージと企業が考えている商品と違ったら、売れませんのでこのあたりはマーケティング部がしっかりと市場調査を行います。基本的には防腐剤や酸化防止剤という表現は、悪いイメージの代表例のため、そういう成分は使ってないと宣伝するのが正道のようです。また、パラベンは大手の無添加メーカーの宣伝により悪者にされているので、パラベン無配合と表現するメーカーは多いと思います。
パラベンとフェノキシエタノールの皮膚への負担はそんなに変わらないと思いますが、経口毒性(口からとったときの毒性)はパラベンの方がフェノキシエタノールより数値は上となります。
ただ、皮膚に塗ったときの安全性データはアトピーや皮膚病患者など皮膚障害がある方に対するデータはフェノキシエタノールの方が揃っています。大手の化粧品メーカーが作る低刺激性化粧品はフェノキシエタノールが主流なので、延べ何千万人の敏感肌の方がフェノキシエタノールを使っているという実績は非常に大きいと思います。
ただし、パラベンに比べてフェノキシエタノールは防腐効果が弱いため、ラフに扱われる化粧品には配合されないことが多いでしょう。
なお、エタノールの量によっては、防腐剤の量を減らすことができますので、一概にエタノールが入っていないから安全性が高いというわけにはまいりません。エタノールは肌につけるとすぐに蒸発して肌への影響は軽いものですが、肌の上に残る防腐剤を低減する効果があるのは見過ごせないと思います。