ベタイン使いこなし講座
このコーナーではベタイン(トリメチルグリシン)の使いこなしについて、各種特許の紹介を行っていきます。化粧品は数多くの成分をいかにうまく組合わせるかがポイントになるのですが、なかなか容器に表示してある成分をみてもどのくらいの量が入っているのか判断がつきません。そこで化粧品をよく知るためには特許を読んで理解するという手順が必要となってきます。もちろん、ここにでているものを組合わせてもその通りよいものができるとは限りませんが、プロが数々のものを組合わせた結果、この組合わせがよいという結論に達したものなので、参考にはなるでしょう。また、特許を指標として手作り化粧品のレベルアップに役立て下さい。
1. 特開2000-178165 ベタインと乳精の組合わせ
【効果】
肌荒れを防止又は改善して肌荒れによる皮膚の老化を防止する
【要旨】
肌荒れは、皮膚の老化を促進するため、皮膚外用剤には、保湿効果を付与して肌荒れを防止又は改善するために、アミノ酸が配合されてきた。しかしながら、アミノ酸を配合した従来の皮膚外用剤は、保湿効果を付与するという点では問題はないものの、肌荒れによる皮膚の老化を防止するという点においては必ずしも十分な効果を期待することは出来ないものであった。上述の観点から、肌荒れを防止又は改善し、皮膚の老化を防止する効果を期待出来る新規な皮膚外用剤について鋭意研究した結果、乳清と、特定のアミノ酸とを組合せて皮膚外用剤に配合することにより、肌荒れによる皮膚の老化促進を防止可能な皮膚外用剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【配合割合】
乳清の皮膚外用剤への配合量は、濃縮物又は乾燥粉末として、皮膚外用剤全量に対して0.001~5.0重量%、好ましくは、0.01~1.0重量%である。0.001重量%未満では本発明の効果が得られず、また、5.0重量%を超えて配合しても効果の増大は見られない。本発明に用いる特定のアミノ酸は、セリン、アラニン、トリメチルグリシンのいずれか1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。配合量は、皮膚外用剤全量に対して0.01~10.0重量%が好ましく、さらに好ましくは、0.1~5.0重量%である。
2. 特開平10-182409 ベタインとホエイ(乳精)の組合わせ
【効果】
肌荒れ改善及び保湿効果
【要旨】
従来より、乳液、クリーム、化粧水、パック、洗浄料等の化粧料には、これらに所定の薬効を付与することを目的として薬効成分が加えられている。肌荒れを改善するためには保湿効果のある製剤を使用することが効果的であり、様々な保湿剤が使用されてきた。しかしながら、これらの保湿剤を配合した従来の化粧料では、その効果が十分とはいえず、より優れた保湿効果および肌荒れ改善効果を有する化粧料の開発が望まれていた。本発明者は、化粧料の薬効成分の効果を向上させるべく鋭意検討を行った結果、トリメチルグリシンとホエイとを組み合わせれば、十分な肌荒れ改善及び保湿効果が得られることを見出し、本発明を完成した。
【配合割合】
(A)トリメチルグリシン(B)ホエイを含有する化粧料を提供するものである。
本発明の(A)成分であるトリメチルグリシンはトリメチルアミンをカルボキシメチル化して得られる両性物質であり、サトウダイコン、綿実そのほか多くの植物中に存在する。市販品としては、例えばアミノコート(旭フーズ社製)等を使用することができる。
一方、本発明の(B)成分であるホエイは、牛乳タンパク質の水溶液または脱脂粉乳及びブドウ糖の水溶液を、乳酸連鎖球菌;Streptococcus thermophilus、または乳酸かん菌;Lactobacillus bulugariusで発酵させた液をろ過したものである。(A)成分であるトリメチルグリシンの含有量は、好ましくは0.05~10重量%(以下単に「%」で示す)の範囲であり、より好ましくは0.1~5%の範囲である。また、(B)成分であるホエイの配合量は、好ましくは0.005~5%であり、より好ましくは0.01~2%である。(A)成分、(B)成分がそれぞれこの範囲であれば、優れた保湿効果と肌あれ改善効果が得られる。
以上にでてくる乳精(ホエイ)はヨーグルトの上澄み液や乳酸菌飲料で代用できるので、トライされてもよいでしょう。2大メーカーの研究者が乳精とベタインの組合わせという同じ結論に達しているのが面白いですね。
3. 特開2000-095667 緑茶とベタインとの組合わせ
【効果】
肌荒れ防止および肌荒れ改善作用の高い皮膚外用剤
【要旨】
従来、保湿効果を付与する目的でアミノ酸や多価アルコール、糖類等が皮膚外用剤に配合されてきた。これらの成分は、保湿効果の点では問題はないものの、老化防止効果を考えると十分とはいえず、効果は期待できなかった。本発明者らは優れた肌荒れ防止、肌荒れ改善効果を有するものはないものかと鋭意研究した結果、チャノキ(Thea sinensiss Linne)の葉及び/又は実の抽出物と、セリン、アラニン、トリメチルグリシン、エデト酸塩、エチレンジアミンヒドロキシエチル3酢酸3ナトリウムから選ばれる化合物の少なくとも1種とを配合することによって、この目的が達成できることを見出して本発明を完成するに至った。なわち本発明は、チャノキ(Thea sinensiss Linne)の葉及び/又は実の抽出物と、セリン、アラニン、トリメチルグリシン、エデト酸塩およびエチレンジアミンヒドロキシエチル3酢酸3ナトリウムから選ばれる化合物の一種または二種以上とを配合することを特徴とする皮膚外用剤である。
【配合割合】
発明に用いられるチャノキ(Thea sinensiss Linne)の葉及び/又は実の抽出方法は特に限定されず、例えば、葉から製したもの(緑茶)から一定時間加熱還流した後、濾過し、濃縮もしくは希釈した抽出液を用いることができる。
抽出溶媒は特に限定されず、水、有機溶媒 などを用いるが、本発明において、水、エタノール等の低級アルコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリンなどで抽出した抽出物が好ましい。上記抽出物の皮膚外用剤中への配合量は、0.001~5.0重量%、好ましくは、0.01~1.0重量%である。0.001重量%未満では十分な効果が得られず、5.0重量%を超えて配合しても効果の増大は見られない。本発明に用いられるセリン、アラニン、トリメチルグリシン、エデト酸塩およびエチレンジアミンヒドロキシエチル3酢酸3ナトリウムから選ばれる化合物の一種または二種以上の配合量は、0.01~10.0重量%、さらに好ましくは、0.1~5.0重量%配合される。これらの化合物は、一種または二種以上を組み合わせて配合することができる。
ここにでてくるエデト酸塩およびエチレンジアミンヒドロキシエチル3酢酸3ナトリウムはキレート剤のことです。セリン、アラニンはアミノ酸のことですが、緑茶とベタイン(トリメチルグリシン)との組合わせで十分でしょう。
特開平11-335236 エイジツとベタインとの組合わせ
【効果】
くすみ防止効果を有する皮膚外用剤
【要旨】
肌のくすみは、女性の肌の悩みの上位を占めており、美容上大きな問題であるにもかかわらず、その現象自体に漠然とした面が多い。肌のくすみは、ある特定の視覚的現象であり、顔全体または目の回りや頬等の部位に生じ、肌の赤みが減少して黄味が増し、肌のつやや透明感が減少したり、皮膚表面の凹凸等による影響によって明度が低下して暗く見える状態で、その境界は不明瞭である。くすみの発生要因としては、以下のことが想定されており、これらの要因が単独あるいは複数関与することにより、具体的現象としてくすみの発生が把握されるようになる。
■血行不良による肌色の赤味の低下
■境界不明瞭な局面形成性又は微細斑集簇性の色素沈着
■皮膚の弾力が低下することにより生じる皮膚表面の微細な凹凸等による影響
■角質層の増生や剥離等による透明性(光透過性)の低下
■皮膚表面での乱反射によるつやの低下
■皮膚の黄色化
■性周期による肌色の変化
■ほこり、汗、皮脂等の汚れによるくすみ。
近年、この肌のくすみを改善する試みが多様な観点から行われているが、未だ満足すべき成果が現れていないのが現状である。そこで、本発明の目的は、肌のくすみを効果的に防止することのできる皮膚外用剤を提供することにある。本発明者は、この課題の解決に向けて鋭意検討を行った。その結果、特定の植物抽出物と特定のアミノ酸類とを併用することで、優れたくすみ防止・改善効果が得られることを見い出し、本発明を完成した。本発明で用いられるアミノ酸類のうち、トリメチルグリシンについては、すでにくすみ防止効果のあることが知られているが(特開平1-275511号公報)、十分に満足できる効果を有するものではなかった。すなわち、本発明は、バラ科バラ属植物の抽出物と、下記(1)に示す化合物から選ばれる一種または二種以上とを含有することを特徴とする皮膚外用剤である。
(1)グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、セリン、アラニン、チロシン、トレオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、メチオニン、シスチン、アスパラギン酸、アルギニン、グルタミン酸、グルタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、トリメチルグリシン、グルタチオン。
【配合割合】
本発明に用いられるバラ科バラ属植物としては、例えば、ノイバラ、イザヨイバラ、ノバラ等が挙げられる。そのうち特にノイバラの果実(エイジツ(営実))が好ましい。本発明の皮膚外用剤は、上記バラ科バラ属植物の一種または二種以上が組み合わされた植物体構成部分から抽出される成分を含むものである。抽出に用いられる植物体構成部分としては、特に限定されるものではなく、果実、根、植物全草等が挙げられる。しかし、好ましくは果実を用いる。これらの植物体構成部分からの抽出は、この植物体構成部分をそのまま、あるいは必要により乾燥、粉砕した後、溶媒抽出に供して得ることができる。
使用できる溶媒としては、熱水やメタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール等の低級アルコールあるいはプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール等の多価アルコール、あるいはこれらの含水物、あるいは炭化水素系溶媒、例えば、n-へキサン、トルエン等が挙げられるが、メタノールまたはエタノールを使用するのが好都合である。
低級アルコールを使用する場合、得られる抽出液をそのまま、本発明の皮膚外用剤に含ませることができるが、抽出溶媒を留去し、必要により乾燥した後、本発明の皮膚外用剤に含ませてもよい。こうして得られる抽出物は、後述するアミノ酸類 と組み合わせることで、優れたくすみ防止・改善効果を奏する。
バラ科バラ属植物抽出物の配合量は特に限定はないが、一般には、皮膚外用剤全量に対して固型物換算で0.0001~10.0重量%、好ましくは0.001~5.0重量%配合する。この配合量が0.0001重量%未満では皮膚外用剤のくすみ防止・改善効果が不十分であり、逆に、10.0重量%を超えて配合しても効果の増加は実質上望めないし、皮膚外用剤への配合も難しくなる傾向にある。本発明に係る皮膚外用剤に配合される上記(1)で表される化合物のうち好ましいものは、トリメチルグリシン、グルタミン酸ベタインのようなベタイン類であり、これらのうちでも特にトリメチルグリシンが好ましい。
上記(1)で表される化合物よりなる群から選ばれた一種または二種以上の配合量は、一般には皮膚外用剤全量に対して0.01~30.0重量%、好ましくは0.1~10.0重量%である。この配合量が0.01重量%未満では皮膚外用剤のくすみ防止・改善効果が不十分であり、逆に、30.0重量%を超えて配合しても効果の増加は実質上望めないし、皮膚外用剤への配合も難しくなる傾向にある。
ベタインにはくすみ防止効果があるのですが、生薬エイジツでさらにそれがパワーアップするという発明です。
特開平09-048720 尿素とベタインの組合わせ
【効果】
肌荒れ防止および肌荒れ改善効果に優れ、かつ皮膚に対する刺激性の少ない皮膚外用剤
【要旨】
スキンケア用化粧品等の皮膚外用剤の大きな目的の1つは美肌状態の維持である。美肌状態を保つためには、肌荒れを防止、改善し、肌の皮溝、皮丘を整え、表皮細胞のターンオーバーをスムーズにすることが重要であり、従来よりスキンケア基剤として水分、油分を補給するクリームや乳液が用いられたり、各種保湿剤が配合されてきた。
特に自然保湿因子(NMF:natural moisturizing factor )は、皮膚の保湿に重要な役割を果たしていることが明らかになって以来、この因子中に含まれる各種成分(自然保湿因子成分)を皮膚外用剤をはじめとする各種化粧料に配合する試みが現在盛んに行われている。
現在皮膚外用剤中に配合されている自然保湿因子成分は、従来から用いられている保湿成分に比べ、生理的な面で皮膚の保湿機能に優れた成分である。しかしながら、上述したように、美肌状態を保つためには保湿機能だけではなく、積極的な肌荒れ防止、改善機能を有するものであることが好ましい。
現在皮膚外用剤に用いられている自然保湿因子成分は、積極的な肌荒れ防止、改善機能の付与という点に関しては必ずしも満足し得るものではないが、これらの中でも、尿素は角質層柔軟効果、肌荒れ改善効果を有するものとしてよく知られた成分である。
しかし、この尿素は、低濃度で配合した場合、肌荒れ防止、改善効果が弱く、効果を十分に発揮させるためには通常、7重量%を超える量を必要とするが、このように多配合量とすると、時としてヒリつきなどの皮膚刺激を引き起こすという問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、優れた肌荒れ防止、改善効果を有し、かつ皮膚への刺激性等の皮膚トラブルの少ない皮膚外用剤を提供することにある。本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、尿素に低分子ベタインを併用すると、荒れ防止、改善効果が相乗的に向上するばかりでなく、皮膚刺激の発生が少ない皮膚外用剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明によれば、尿素と低分子ベタインを含有してなる皮膚外用剤が提供される。
【配合割合】
本発明において用いられる尿素は、化学式H2 CONH2 で表され、化粧品、医薬品分野において用いられ得るものであれば、任意に使用し得る。
尿素は、本発明皮膚外用剤中0.5~7重量%の割合で配合されるのが好ましく、より好ましくは2~5重量%である。0.5重量%未満では本発明の効果が十分に発揮されず、肌荒れ改善効果の向上がみられない場合があり、一方、7重量%を超えて配合した場合皮膚に対する刺激が感じられる場合がある。
本発明に用いられる低分子ベタインは、分子量100~200程度の、第四アンモニウム塩基、スルホニウム塩基、ホスホニウム塩基等の分子内塩で両性イオンを形成するものを包含し得る。分子量を100~200程度のものとする理由は、分子量が200を超えるベタインでは界面活性剤としての性質を帯び、肌を荒らす傾向となり、一方、分子量100未満では親水性が強くなり、皮膚への浸透性が弱くなるからである。
すなわち、トリメチルグリシンが最も好適に用いられる。低分子ベタインは、本発明皮膚外用剤中0.01~30重量%の割合で配合されるのが好ましく、より好ましくは、0.1~10重量%、特に好ましくは1~5重量%である。0.01重量%未満では、皮膚外用剤中に含まれ得る他の保湿剤(例えばムコ多糖類など)のべたつきを抑制しきれず、一方、30重量%を超えて配合しても本発明の効果の増大は期待できず、粉っぽい使用感になり、肌へのなじみも悪くなる。
本発明の皮膚外用剤においては、尿素と低分子ベタインとを併用することにより、尿素と低分子ベタインをそれぞれ単独で配合した場合に比べて格段に優れた肌荒れ防止、肌荒れ改善効果が得られるとともに、 尿素の配合に伴う皮膚への刺激性、および低分子ベタインの配合に伴う粉っぽさのみられない優れた使用感が得られる。
尿素とベタインを組合わせる事で、尿素の刺激性が低くなるという発明です。
特開平09-077654 ウワウルシエキスとベタインとの組合わせ
【効果】
美白効果に優れ、かつ肌荒れを改善し、くすみ改善効果に優れた皮膚外用剤
【要旨】
皮膚のしみなどの発生機序については不明な点もあるが、一般には、ホルモンの以上や日光からの紫外線の刺激糖が原因となってメラニン色素が形成され、これが皮膚内に異常沈着するものと考えられている。
このようなしみやあざの治療法として、メラニンの生成を抑制する物質(例えばビタミンC剤など)を大量に経口投与する方法、グルタチオン等を注射する方法、あるいはL-アスコルビン酸、システイン等を軟膏、クリーム、ローション等の形態にして局所に塗布する等の方法がとられている。また、皮膚美白効果を目的としてハイドロキノンの配糖体を含む皮膚外用剤が特開昭60-56912号公報等に開示されている。
しかしながら、これらのものの多くは美白作用を有するものの、それ自体、肌荒れ改善効果をもたないため、肌のくすみを改善する効果としては満足のいくものではなかった。本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、優れた美白効果を有するとともに、肌荒れ防止、改善効果を有し、くすみ改善効果に優れた皮膚外用剤を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ハイドロキノンの特定の配糖体(アルブチン、つまりウワウルシエキスのこと)とともに低分子ベタインを配合することにより、美白効果に優れるばかりでなく、肌荒れ改善効果およびくすみ改善効果に優れた皮膚外用剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【配合割合】
低分子ベタインは、皮膚外用剤中に含まれる他の保湿剤のべたつきを抑えるだけでなく、それ自体に保湿効果、肌荒れ改善効果がある。
低分子ベタインは、本発明皮膚外用剤中0.01~30重量%の割合で配合されるのが好ましく、より好ましくは0.1~10重量%、特に好ましくは1~10重量%である。0.01重量%未満では、皮膚外用剤中に含まれ得る他の保湿剤(例えばムコ多糖類など)のべたつきを抑制しきれず、一方、30重量%を超えて配合しても本発明の効果の増大は期待できず、粉っぽい使用感になり、肌へのなじみも悪くなる。ハイドロキノ ンの配糖体は、本発明皮膚外用剤中0.1~30重量%の割合で配合されるのが好ましく、より好ましくは1~20重量%である。0.1重量%未満では、本発明の効果を十分に発揮させることができず、一方、30重量%を超えて配合しても配合量の増加に見合った効果の増大は期待できない。
本発明の皮膚外用剤においては、低分子ベタインとハイドロキノンの配糖体を併用することにより、低分子ベタインとハイドロキノンの配糖体をそれぞれ単独で配合した場合に比べて、美白効果とともに肌荒れ改善効果が格段に向上し、極めて優れたくすみ改善効果が得られる。
ウワウルシエキス(アルブチン)とベタインを組合わせることで、さらに双方の効果が上がるという発明です。
特開平09-095411 トレハロースとベタインとの組合わせ
【効果】
優れた肌荒れ防止、改善効果を有するとともに、べたつき感がなく使用性に優れ、かつ保湿効果の高い皮膚外用剤
【要旨】
スキンケア用化粧品等の皮膚外用剤の大きな目的の1つは美肌状態の維持である。美肌状態を保つためには、肌荒れを防止、改善し、肌の皮溝、皮丘を整え、表皮細胞のターンオーバーをスムーズにすることが重要であり、従来よりスキンケア基剤として水分、油分を補給するクリームや乳液が用いられたり、各種保湿剤が配合されてきた。この保湿剤として、従来よりグリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、多糖等 が皮膚外用剤をはじめとして各種化粧料に用いられている。上述したように、美肌状態を保つためには保湿機能だけではなく、積極的な肌荒れ防止、改善機能を有するものであることが好ましい。
しかしながら、従来より一般に保湿剤として用いられているものは、低濃度で配合した場合、肌荒れ改善効果が弱く、一方、効果を十分に発揮させるために多量に配合するとべたつき感やほてり感を生じるという問題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、優れた肌荒れ防止、改善効果を有するとともに、べたつき感がなく使用性に優れ、かつ保湿効果の高い皮膚外用剤を提供することを課題とするものである。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、保湿作用を有する低分子ベタインにトレハロースおよび/またはエリトリトールを併用することにより、肌荒れ防止、改善効果が相乗的に向上するばかりでなく、保湿効果が高くなり、しかもべたつき感がない優れた使用性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【配合割合】
低分子ベタインは、本発明皮膚外用剤中0.01~30重量%の割合で配合されるのが好ましく、より好ましくは、0.1~10重量%である。0.01重量%未満では、皮膚外用剤中に含まれ得る他の保湿剤(例えばムコ多糖類など)のべたつきを抑制しきれず、一方、30重量%を超えて配合しても本発明の効果の増大は期待できず、粉っぽい使用感になり、肌へのなじみも悪くなる。本発明に用いられるトレハロースは化学式C12H22O11で表され、2分子のD-グルコースが還元性基どうしで結合した非還元性二糖類である。
グリコシド結合の様式によりα,α-、α,β-、β,β-の3 種の異性体があるが、本発明ではこれらいずれの異性体をも含む。このトレハロースは、天然界ではしいたけ、酵母、昆虫類に含まれ、広く分布している。またエリトリトールは化学式C4H10O4 で表され、メソ-エリトリトールとも呼ばれ、天然界では地衣類、担子菌類、果実等に含まれる4単糖の糖アルコールである。
本発明では、トレハロース、エリトリトールの少なくとも1種以上が配合されるが、これらは化粧品、医薬品分野において用いられ得るものであれば、任意に使用し得る。トレハロース、エリトリトールは公知の方法により得ることができる。
トレハロースおよび/またはエリトリトールは、本発明皮膚外用剤中0.05~30重量%の割合で配合されるのが好ましく、より好ましくは1~20重量%である。0.05重量%未満では本発明の効果が十分に発揮されず、一方、30重量%を超えて配合しても配合量の増加に見合った効果の増大が期待できず、べたつきも感じられるようになる。
トレハロース、エリトリトールを組み合わせて用いるときの組み合わせ比率は、組み合わせの合計量が上記配合量を逸脱しない限り特に限定されず任意の比率で組み合わせることが可能である。
本発明の皮膚外用剤においては、トレハロースおよび/またはエリトリトールと低分子ベタインとを併用することにより、それぞれ単独で配合した場合に比べて、べたつき感等を生じることなく、肌荒れ防止効果、肌荒れ改善効果が格段に向上する。また、保湿効果の向上もみられる。
トレハロースの性能向上にベタインが役立つという発明です。
特開平07-309741 ベタイン配合入浴剤
【効果】
優れた入浴効果を発揮し、保湿効果、肌あれ防止、保温等の効果に優れた浴用剤組成物
【要旨】
従来、入浴効果を高めるための浴用剤としては、硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム等を主剤とした粉末または顆粒状の浴用剤や、ラノリン、ラノリン誘導体、イソプロピルミリステート、イソプロピルアルコール、スクワラン、ピロリドンカルボン酸塩、グリセリン、プロピレングリコール等の各種動植物油脂及びそれらのエステル類等の柔軟剤を主剤とした液状の浴用剤等が知られている。
これらの浴用剤には保湿効果を高めたり、肌あれを防止する効果、肌をしっとりなめらかにする効果や保温効果といった種々の効果の向上を目的として各種の保湿剤が添加される。しかしながら、保湿剤のうち、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のポリオール系のものは吸湿性、保湿性に劣り、つっぱり感を与え、しっとり感が弱く使用感に難点がある。
一方、乳酸ナトリウム、PCAソーダ等は吸湿性には優れるものの、電解質であるために乳化阻害作用等の性質があり乳化系には適さない。また、高分子系の保湿剤としては、ヒアルロン酸ナトリウム等のムコ多糖類やポリアミノ酸塩が知られているが、ムコ多糖類は極めて高価であり、また、ポリグルタミン酸塩等のポリアミノ酸塩も、保湿性がやや劣り、製品にべたつきやぬめり感を生じやすいという欠点があり、浴用剤用途には適さなかった。
本発明の目的は、優れた入浴効果を発揮し、保湿効果、肌あれ防止、保温等の効果に優れた浴用剤組成物を提供することである。本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行なった結果、保湿剤としてトリメチルグリシンを用いることにより、目的とする浴用剤組成物が得られることを見いだし本発明を完成するにいたった。
【配合割合】
本発明で用いられるトリメチルグリシンは、動植物に広く分布しており、おもに甜菜から抽出により製造されているが、グリシン、コリンまたはクロル 酢酸から化学合成によって製造されたものを用いることもできる。また、トリメチルグリシンの水和物を用いることもできる。本発明の浴用剤組成物へのトリメチルグリシンの配合量は、0.1~50重量%、好ましくは1~20重量%である。